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読売新聞 2012年5月4日
再生素材から最先端の服
ロンドンのデザインミュージアムが選ぶ権威ある賞「デザイン・オブ・ザ・イヤー」のファッション部門で、服飾ブランド「イッセイミヤケ」が手がけた服「132 5.(イチサンニゴ)イッセイミヤケ」が最優秀デザインに選ばれた。独創的な意匠と再生素材の活躍が高く評価された。 「132 5.」という変わった名前は、1枚の布が立体(3次元)になり、畳むと平面(2次元)に戻り、服を着ると5次元のような広がりを持つことを意味する。実際、布の一端を持ち上げると、一層一層がねじれるように展開し、ワンピースなどの形が現れ、折れ目に合わせて畳み直すと、再び1枚の布に戻る。
この画期的なデザインに欠かせなかったのが日本製のハイテク繊維。イッセイミヤケで素材開発を行う菊池学さんは、「長く着てもらえる服として企画したのが『132 5.』。それが実現するためには、再生素材の活用が不可欠」と話す。 菊池さんが選んだ素材は、帝人ファイバーが開発した再生ポリエステル。 ところが、そのまま再生糸で織った生地は、ゴワゴワして硬く、着るとカサカサと音もする。そこで菊池さんは昔から付合いのある福井市の布地メーカーの畑岡に、糸をねじる「撚り(より)」という工程を依頼。撚る回数や方向によって、糸の硬さや光沢などを変えられるからだ。 同社社長の畑岡茂さんらが半年間で作った試作品は120種類以上。その中から選ばれた「132 5.」の生地は、張りがあるのにふんわりとして柔らかく、生地をこすっても音がしない。その後、石川県の工場で生地をつや消しの黒に染め、さらに大阪の工場で箔押しをした。